「滅びゆく国家」(日経BP) 立花隆
★★★★★★★★ (★は10点満点)
この本の内容は、日経BPのウェブサイトに掲載された作者(立花氏)の連載を若干の手直しなどをして編集したものとのこと。時期は、昨年の3月頃からのもの。
まず、驚いたのが、たった1年前に書いたものであるが、当時と状況がすっかり変わってしまい、作者の予測もほとんど当たっていないこと。ただ、作者の見方が不十分などというつもりはまったくない。現実の動きの早さ、意外性に驚いた。作者も同様の感想を持っているようであり、あえてあまり手直しせずに単行本化している。
たとえば、政治の世界。昔は、亀井氏をはじめとする抵抗勢力、田中真紀子氏外相時代など、いろいろあったが、いまやそのような話はまったくメディアでは聞くことはできない。小泉チルドレンなるものまで誕生してしまっている。いろいろ原因などはあるが、首相サイドのメディア戦略が功を奏しているように思う。
作者の予測の一つとして、小泉首相が1年任期を延長するはずだと、随所に主張されている。結果は、安部内閣が内定されている状態である。この点について、何で任期を延長しなかったのか、気になるところであった。
結果だけにとらわれることなく、その経緯を理解し、ターニングポイントはなんであったのか、そういうことを考えることの重要性を認識させられたという意味で、自分にとって意義のある本だった。


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